毎月勤労統計の不正発覚とその対応を巡り、通常国会は開会冒頭より大荒れとなっています。
過去のさまざまな給付の見直しも余儀なくされ、31年度予算審議の大前提が崩れています。昨年の実質賃金の伸び率が実はマイナスだったことも判明し、アベノミクスの破綻が露呈した格好となりました。
同じく統計法に基づく基幹統計調査である「小売物価統計調査」の不正もこのたび大阪府で発覚したとの報道がありました。国の消費者物価指数はこれら地域別、店舗形態別、銘柄別の価格調査に基づき作成されています。その調査員が過去の価格をそのまま報告する不正が2年にわたって繰り返されていたということですが、果たして大阪だけの話でしょうか?全国都道府県と調査対象市の実態についての早急な調査が求められます。
ここで問題は、毎月勤労統計調査の不正で「賃金」、小売物価統計調査の不正で「物価」、それぞれの推移についての認識の根拠が揺らぐ中、これらの指標を基に31年度から完全実施されようとしている「マクロ経済スライド」の根拠も揺らぐことになるのではないか、ということだと思います。
「毎勤」だけでは一般国民には少々解りづらい話だったかもしれませんが、すべての年金受給者の給付額が、偽装された経済指標によって不当に引き下げられたりしたら、これはもう内閣総辞職か衆議院解散に価する話になって来るでしょう。